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元利均等返済の計算式の導出

※本記事は、数学は好きですが算数とお金の計算は苦手な著者(優乃)が道楽で書いています。作成には慎重を期しておりますが演算結果を保証するものではありません。

元利均等返済とは、毎回の返済額となる元金と利息の合計が返済開始から決められた期間の終了まで均等となる利息の算出方式 をいう。

固定金利であれば毎月の支払いが一定額のため返済計画を立てやすい・・・っとこれ以上の分かりやすい説明は他サイトに譲る。

本記事では借入金、利率、返済回数に対して元利均等返済に関する計算式を導出する。

JUGEMテーマ:経済全般

本題の前に、一般的に借入金(元金)を円、利率を; 回目の返済額を円とすると残元金について以下が成り立つ。

  • 1回目の返済後の残元金:
  • 2回目の返済後の残元金:
  • 3回目の返済後の残元金:
  • (i-1)回目の返済後の残元金:
  • i回目の返済後の残元金:
  • (i+1)回目の返済後の残元金:

(次の元金) = (元金) + (利子) − (返済額) であり、ここでは元金に利子が繰り込まれ次の利子が決まることが言いたい(単利と複利)。

例えば、借入金額を3000万円(= a0)、利率を0.5%(= r)とし、1回目で110万円(= x1)、2回目で120万円(= x2)、3回目で130万円(= x3)、4回目で140万円(= x4)返済した場合の残元金a1,2,3,4は以下となる。

  • 1回目の返済後の残元金: a1 = 30,000,000 + 30,000,000 × 0.005 - 1,100,000 = 29,050,000円
  • 2回目の返済後の残元金: a2 = 29,050,000 + 29,050,000 × 0.005 - 1,200,000 = 27,995,250円
  • 3回目の返済後の残元金: a3 = 27,995,250 + 27,995,250 × 0.005 - 1,300,000 = 26,835,226円; ※小数点以下切捨て
  • 4回目の返済後の残元金: a4 = 26,835,226 + 26,835,226 × 0.005 - 1,400,000 = 25,569,402円; ※小数点以下切捨て

※複利の影響により、総支払額500万円(110+120+130+140)に対し、実際に減る元金は約443万円となる。

さて元利均等返済とは、毎回の支払いを一定額にするものなので上記は定数となりこれをとする。このとき回返済後の残元金について下式が成り立つ。

ただし、記号の意味は以下とする。

: 回返済後の残元金
: 借入金額
: 返済した回数; 1以上の自然数
: 利率;
: 毎回の返済額; 定数

これを以下の形に変形する(おまじない)。

辺々比較して

よって

ここで、とすると

これは等比数列の形なので解けて

ゆえに

... (1)

ここで、返済回数をとすると回目に残元金がゼロになるので、として

よって、を改めてと置き換えについて解くと

ゆえに

... (2)

ただし、記号の意味は以下とする。

: 毎回の返済額
: 借入金額
: 利率;
: 返済回数

元利均等返済における毎回の返済額借入金額 × 利率 ÷(1 −(1 + 利率)^(−返済回数))

例: 借入金額1000万円、利率年3.0%、返済期間20年の場合の毎月の返済額は?
毎月の返済額10,000,000 × (3.0 ÷ 100 ÷ 12) ÷ (1 − (1 + (3.0 ÷ 100 ÷ 12))^(−20 × 12))
  = 10,000,000 × 0.0025 ÷ (1 − (1 + 0.0025)^(−240))
  = 25,000 ÷ (1 − 1.0025^(−240))
  ≒ 25,000 ÷ (1 − 0.54922271396)
  = 25,000 ÷ 0.45077728604
  ≒ 55459円
※利率には月利(年利 ÷ 12)を用いた。

元利均等返済における毎月の返済額の簡易シミュレーションはこちら

(2)式を利用して支払利息の合計金額が算出できる。(支払利息の合計金額) = (毎回の返済額) × (返済回数) − (借入金額) なので

ゆえに先ほどのを展開して

ただし、記号の意味は以下とする。

: 支払利息の合計金額
: 借入金額
: 利率;
: 返済回数

元利均等返済における支払利息の合計金額借入金額 ×(返済回数 × 利率 ÷(1 −(1 + 利率)^(−返済回数))− 1)
※上式は小数点以下のお金の扱いを考慮していないため実際と異なります。

例: 借入金額1000万円、利率年3.0%、返済期間20年(月返済)の場合の支払利息の合計金額は?
支払利息の合計金額10,000,000 × ((20 × 12) × (3.0 ÷ 100 ÷ 12) ÷ (1 − (1 + (3.0 ÷ 100 ÷ 12))^(−20 × 12)) − 1)
  = 10000000 × (240 × 0.0025 ÷ (1 − (1 + 0.0025)^(−240)) − 1)
  = 10000000 × (0.6 ÷ (1 − 1.0025^(−240)) − 1)
  ≒ 10000000 × (0.6 ÷ (1 − 0.54922271396) − 1)
  = 10000000 × (0.6 ÷ 0.45077728604 − 1)
  = 10000000 × 0.33103423485
  ≒ 3,310,342円
※利率には月利(年利 ÷ 12)を用いた。
※小数点以下は切り捨て。

元利均等返済で毎月返済するときの支払利息の合計金額の簡易シミュレーションはこちら

さらに逆算して借入可能金額を算出する。(2)式をについて解くだけでよく

ただし、記号の意味は以下とする。

: 借入可能金額
: 利率;
: 返済回数
: 1回の返済可能金額

元利均等返済における借入可能金額1回の返済可能金額 ÷ 利率 ×(1 −(1 + 利率)^(−返済回数))

例: 年間返済可能額150万円、利率年4.0%、返済期間25年の場合の借入可能金額は?
借入可能金額1,500,000 ÷ (4.0 ÷ 100) × (1 − (1 + (4.0 ÷ 100))^(−25))
  = 1500000 ÷ 0.04 × (1 − (1 + 0.04)^(−25))
  = 37500000 × (1 − 1.04^(−25))
  ≒ 37500000 × (1 − 0.37511680225)
  = 37500000 × 0.62488319775
  = 23433119.9156
  ≒ 2343万円

元利均等返済で毎月返済するときの借入可能金額の簡易シミュレーションはこちら

元利均等返済で毎年返済するときの借入可能金額の簡易シミュレーションはこちら

また、各回の返済限度額に応じた返済回数を算出することもできる。(2)式をについて解いて

ここで返済回数は自然数なので

ただし、記号の意味は以下とする。

: 返済回数
: 借入金額
: 各回の返済限度額
: 利率;
: 対数関数; 底は任意の値
: 床関数

元利均等返済における返済限度額に応じた返済回数 =[log(1 ÷(1 − 借入金額 × 利率 ÷ 各回の返済限度額))÷ log(1 + 利率)+ 1]

例: 借入金額20万円、利率年15.0%、各回(月)返済限度額1万円の場合の返済回数は?
返済回数 = [log(1 ÷ (1 − 200000 × (15.0 ÷ 100 ÷ 12) ÷ 10000)) ÷ log(1 + (15.0 ÷ 100 ÷ 12)) + 1]
  = [log(1 ÷ (1 − 200000 × 0.0125 ÷ 10000)) ÷ log(1 + 0.0125) + 1]
  ≒ [log(1.33333333333) ÷ log(1.0125) + 1]
  ≒ [0.1249387366 ÷ 0.00539503188 + 1]; 常用対数で計算した
  ≒ [23.158109049 + 1]
  = [24.158109049]
  = 24回
※利率には月利(年利 ÷ 12)を用いた。

元利均等返済で毎月返済するときの返済限度額に応じた返済回数の簡易シミュレーションはこちら

また、返済途中での残元金を算出できる。(1)式に(2)を代入して

ゆえに

または

ただし、記号の意味は以下とする。

: 回返済後の残元金
: 借入金額
: 利率;
: 返済した回数; 1以上の自然数
: 返済回数

元利均等返済におけるi回返済後の残元金借入金額 ×(1 −(1 + 利率)^(i返済回数))÷(1 −(1 + 利率)^(−返済回数))

例: 借入金額100万円、利率年15.0%、返済期間2年(毎月返済)の場合、11回返済した時点での残元金(元金+利息)は?
11回返済後の残元金 = 1,000,000 × (1 − (1 + (15.0 ÷ 100 ÷ 12))^(11 − (2 × 12))) ÷ (1 − (1 + (15.0 ÷ 100 ÷ 12))^(−(2 × 12)))
  = 1000000 × (1 − (1 + 0.0125)^(11 − 24)) ÷ (1 − (1 + 0.0125)^(−24))
  = 1000000 × (1 − 1.0125^(−13)) ÷ (1 − 1.0125^(−24))
  ≒ 1000000 × (1 − 0.85087269177) ÷ (1 − 0.7421970686)
  = 1000000 × 0.14912730823 ÷ 0.2578029314
  ≒ 578,454円
※利率には月利(年利 ÷ 12)を用いた。
※小数点以下は切り捨て。

【余談】

  • 参考にも示すこのサイト と一箇所だけ計算結果が異なるのが「利息の合計金額」。当該サイトでは 331万0160円、私の結果では331万0342円、差額は182円。この182円は何だろうか?・・・・・・答えは毎月の返済額と利率による小数点以下の影響です。私は(ある意味)厳密に小数点以下も計算したのでこのような結果になっていますが、現実には小数点以下のお金は切捨て・切上げ(四捨五入?)されるので当該サイトが正しいです。が、私は敢えて修正しません。
  • 指数関数出てくるし、対数関数出てくるし、関数電卓が必要じゃないかっ。返済額は一定で分かりやすいけど実際に計算できる人は少なそうだ。
【参考】 【関連記事】 【変更履歴】
  • 2019/05/31: 数式を https://www.codecogs.com/ で記載しなおした。
  • 2018/11/06: シミュレーションの単位を万円に変更。シミュレーションの入力で式が使用できるように変更。
  • 2008/01/05: 「返済途中での残元金」の計算式の項目を追加。
  • 2007/12/26: 導出過程の記号の使用方法を誤っていたのを修正(※演算結果は変わりません)。体裁修正。
  • 2007/12/24: 記事投稿。
コメント
from: ポン太   2015/08/12 4:16 PM
総務部に配属されて、社員への貸付の管理を任されて、おたおたしていたサラリーマンです。

毎月の返済額が正しいのか検証したかったのですが、理屈がわからず、ネット上には計算式はたくさんあるものの導き方がなくてむすむずしておりました。

この記事に従って自分でも計算してみて非常にすっきりしました。30年ぶりくらいに数列の計算をやりました(笑)

ありがとうございました。
from: 優乃   2015/08/13 1:50 AM
To: ポン太さん

すっきりされたようで私も満足です♪2008年の記事ですが、わたし自身も"うまくまとまった"感があったことを憶えています。

導出するのは、"本題の前に一般的に借入金(元金)を…" から始まる複利の一般的な式が本質ですよね。
from: yasu   2019/05/28 12:03 AM
元利均等計算の原理?を調べており、こちらに辿りつきました。

すみません、おまじないの部分で
どのような変換が行われているのか
まったく理解というか想像ができません。

定数xが消えてしまう理由ですとか
αが何者でなぜ置き換えが成立するのか

可能でしたらご説明いただけたらありがたいです。
from: 優乃   2019/05/31 9:26 AM
To: yasuさん

漸化式の特性方程式といいます。"おまじない"ですので、「経験的に、こういう手順にすると解くことができるよ。」の意味合いが強いです。

こちらが参考になると思います。

https://examist.jp/mathematics/recurrence-formula/tokusyukaigata/
from: 優乃   2019/05/31 5:19 PM
(今日、会社休みでしたので)ついでに、"おまじない"のところ記事を補足してみました。
from: yasu   2019/06/04 8:06 PM
お返事いただきありがとうございます。
漸化式の特性方程式と呼ばれるものだったのですね。
このおまじないにより式を等比数列へと変換することができると。
お陰様でxの解まで辿り着くことができました。
ありがとうございました。
from: 優乃   2019/06/04 8:22 PM
To: yasuさん

目的は達成されたようで良かったです。
返事遅くなったことは申し訳ないです。返信もありがとうございます。(このblog探したらコメント通知機能があったので、オンにしました。)
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